土用の丑の日

 

 

 

「土用の丑の日には鰻を食べる」は季節のイベントのようになっていますね。

でも、なぜ「土用の丑の日」には鰻なのでしょう?

 

上の図をご覧ください。

これは、季節の十二支の移り変わりを円で表したものです。

 

季節は陰(冬)から陽(夏)に、陽(夏)から陰(冬)へと

円を描くように巡っています。

季節は移ろいゆくもので、突然変わるわけではありませんね、

ですので、

季節と季節の間に移行の期間(土旺用事の期間)があります。

辰、未、戌、丑が季節と季節の間を受け持つ土の気で、

土旺用事(土用)は年に4回あります。

 

 (土用期間は18日~19日間です)

 

では、何故夏の土用だけ、こんなに取り上げられるのかと言いますと、二つの理由があります。

ひとつは、五行の関係で夏の土用は元々、長夏と言うひとつの季節として考えられていた事です。


もうひとつは、‘火と土‘の関係性にあります。

五行の相剋図を見て分かりますように、土は火によって強められる関係にあります。

 

黒い→は相手を弱める(剋す)

黄色い→は自分のエネルギーを使い相手を強める(相生)

という図です。火によって、土が強まる様子が分かると思います。

 

ですので、

夏(火の季節)から秋に移行するときの土の期間は

一年間のうちで最も土の気が強まっている時

なのです。

 

陰陽五行ではバランスが大きく傾く時を良しとしません。

気が、どちらかに大きく傾くということは

何かしらの摩擦や不具合、バランスの崩れが生じるということで、

土用の期間は土の気が強まり

バランスが崩れます。


夏の土用の場合は、土の気のバランスが大きく変わり、

土の気が大きく強くなる、ということですので、

 

土(大地)に関すること、身体の中でも土の気に関することの

バランスが大きく崩れやすいのです。

土の気が大きく強くなることで、実際に土を動かしたり掘ったりすると

事故になりやすくなり、

身体を壊しやすいということがあります。

元々、宿命で土の気のバランスを崩しやすい人は、この時期は

消化器系の不調、むくみ、倦怠感、皮膚疾患が悪化しやすいなど、

調子が悪くなるので、注意が必要です。

そうでなくても

この時期は、暴飲暴食、甘いものの食べ過ぎ、冷えには特に注意したいですね!

さて、

この五行の相剋図。

黒い→は相手を弱める(相剋)

黄色い→は自分のエネルギーを使い生み出す

(相生)といったサイクルを描いています。

土用の丑の日に鰻を食べるというお話ですが、

江戸時代に平賀源内という人物が

鰻屋の売り上げの宣伝に

この陰陽五行の相剋を用いて

「土の気を増やす火を弱めるために水の気を

身体に取り入れる」「土の気で弱まった水の気を養う」

という意味つけで水の気を象徴した‘黒‘‘流線形‘の鰻を

食することを推奨したと言われています。

 

 

鰻屋さんの夏の売り上げにも貢献したとかしないとか。。。

それはさておき、

 そのようなキャッチコピーが現代にも活きているということは面白いですね。

 

因みに私なら土の気を弱める金の気の食べ物を積極的に取り入れたいと考えます。

金の気の食べ物は辛みのある物で、胡椒、唐辛子や、ネギ、ニンニクなど薬味として

取り入れやすい物が多いですね。

そのうち、土用の丑の日は辛い物を食べよう!というキャッチコピーが

出てきたりして、と考えると尚面白いです。

 

それはさておき

奇しくも、未月の月破大耗(月の干支と日の干支が冲する日)にあたる丑の日に

注目が集まるようになっていることが、平賀源内の意図するところなのか

どうかは、定かではありませんが、

 

本当に注意すべきは、火で強められた土(未)と土(丑)の干支がぶつかり合う

土用の丑の日は月破大耗で大凶日であるという事に他なりません。